2010年03月31日

数と計算

1. バビロニアの数学と「和算」

 多くの文明が大河の流域で発生している。そこでは、農業が重要な産業で、収穫した穀物や租税、耕作地などの管理のために計算が必要とした。エジプトでは、洪水で失った耕地の面積を役人が測量し、王はそれにより減税したとヘロドトス(前485〜前425?)が書き残しているとのことである。

 最近になって、いろいろな論文に目を通していて驚いた。
 それは、3800年以前のバビロニアの楔形(セッケイ・くさびがた)文字による「開平」、はもちろん「帯縦開平」の計算がなされていたという。
* 記数法が60進法である「バビロニア数字」でする「開平」であること。
* それが、「帯縦開平」であること。
* 最も驚いたのは、解法が江戸時代の和算書『算法新書』(千葉胤秀著、文政13・1830年)と同じであったことである。3600年を隔てた和算の中に同じように解いているのをみると、驚きとともに嬉しくなった。

 『数学の誕生』( 近藤洋逸著 現代数学社 1977.6.10 )をヒントにして、記された。 「数学史にみる幾何学的代数学」黒田孝郎≪『富士論叢』第32巻第1号・1875年≫によると、バビロン第一王朝初期の紀元前1800年頃のものといわれる粘土板(エール大学蔵)に、つぎのような問題が刻まれているという。≪『文明における数学』黒田孝郎・三省堂・1986年P.23≫

 問 題
 「長さ」と「幅」を加えると6;30’『面積』が7;30°の時、「長さ」と「幅」を求めよ。
 (シュメール人の記数法は60進法であった。ここでは、7個と半分を7;30,と記す。)
これを、粘土板にあるとき方。
『数学の誕生』によれば
         x+y=6;30,   xy=7;30,
    テキストにいう:
         “長さと幅を半分にして加えると 3;15, ”
         “それを平方すると 10;33,45 ”
         “10;33,45 から 7;30, を引くと 3;3,45 ”
         “それの平方根は 1;45,である”
         “それを一方に加えよ 3;15,+1;45, ”
         “それを一方から引け 3;15,−1;45, ”
         “すると長さと幅を得る x=5  y=1+1 / 2=1;30, ”
これをいま少し詳しく計算すると
@ 6;30 ÷ 2=3;15=3 + 15/60
    A (3 + 15/60)²=9 + 2 × 3 × 15/60 + 15 × 15/60 × 60
=9 + 15/10 +(60 × 5 + 45)/60 × 60
=9 + 1 + 5/10 + 3/60 + 45/60²
=10 + 30/60 + 3/60 + 45/60²=10;33,45
    B 10;33,4 − 7;30=3;3 ,45=11025/60²
    C √11035/60²=105/60²=1;45
    D 3;15 + 1;45=4;60=5
    E 3;15 − 1;45=2;75 − 1;45=1;30
  
『算法新書』巻二 60丁裏の「帯縦開平」の問題
   直積三百五十七歩有 長平(縦横)和三十八寸 長及平何程と問
     答 長二十一寸 平十七寸
    術曰 和三十八寸を半して十九寸天とす 是を懸合三百六十一歩を得
       内積三百五十七歩を引残四歩を平方に開き二寸天を加へ長を得
       以て和の内より引平とす 
  『算法新書』の問題   面積:357  辺の差:38
解 法
  @ (長さ + 幅)を半分にする。      38÷2=19(天)
    A @を自乗する。             19²=361
     B A − 面積               361−357=4           
    C Bを開く                √4=2
    D @ + C                19+2=21
    E (長さ + 幅)− D = @ − C  38−21=17      
 
 古代中国でも、数学書『九章算術』(1世紀?)の第一章は「方田」で。耕地面積を扱っている。したがって、乗・除算と同時に「開平」の計算が行われているのである。
 「帯縦開平」としては、『田畝比類乗除捷法』巻下(楊輝著・1275)『算法統宗』巻六(程大位・1592)に見えるが、どちらも同じ数を使っているので後者は前者を参考にしたものであろう。
 しかし、『算法新書』の解き方は、『田畝比類乗除捷法』『算法統宗』とは異なっている。
どのようにして考えついたのであろうか。ともあれそれがバビロニア数学と同じであることに不思議を感じる。『幾何学的代数』で解くとこのようになるのであろうか。



2. わり算を足し算で

 私が小学生のころ、塾の先輩が関西大倉中学校へ入学して珠算部に所属した人がいた。
 その頃の「カンクラ」は中学・高校ともに、珠算の覇者として全国的に知れわたっていた。指導者は「鬼のシオミ」ともいわれた塩見利夫先生でありました。
 ある時、彼は「塩見先生らが、足し算でする割算を発明?して計算している」という話を聞いた。それが不思議に耳に残っているのである。
 そこで、足し算でする割算を記してみることにする。
1.帰一除法(加除法、直加除法、補数除法、増成一法、益除、歉除法)
  例   4,584,511÷97=47,263
          100−97=3……省法
 4584511
          +12(3×4)
          4704511
           +21(3×7)
          4725511
            +06(3×2)
          4726111
             +18(3×3)
          4726291
              +09
          4726300÷100(位取り)=47,263
 
2.拡大帰一除法(帰一除法を拡大した計算)
  例  250,399,374÷47,263=5,298
      100,000−47,263=52,737…(省法)
         250399374 
        +25
         +10
          +35
           +15
            +35
         514084374
         +10
          +04
           +14
            +06
             +14
         524631774
          +45
           +18
            +63
             +27
              +63
         529378104                               
            +40                                  
             +16
              +56
               +24
                +56
          529800000÷100000(位取り)=5,298
◎ この方法を、「ネイピア・ボーン」による割り算に利用すれば、足し算のみで計算できる。(『計算機歴史物語』内山昭著・岩波新書・1983.6.20・P.89・別稿にて)  

 今にして思えば、「帰一除法」も考えられないこともないが、多分「過大商除法」のことであろう。
3.過大商除法
  例  250,399,374÷5,298=47,263 
250399374
         5
         −25
          −10
           −45
            −40
         4985499374
         −2
          +10
           +04
            +18
             +16
         4796095374
           −7
            +35
             +14
              +63
               +56
         4729803974
           −3
            +15
             +06
              +27
               +24
         4726962914
            −7
             +35
              +14
               +63
                +56
         4726300000÷100000=47,263  

 基本運指では引き算は足し算に比べて、食指を使うことが多いので、割算に過大数を採り入れることにより減法が加法になるので、指の負担を軽減させる。しかし、過大数には必然的に「商の借り換え」がともなうのが難点である。
 最近では、大方が検定試験合格を第一の目標としているので、「過大数」は強いて使う必要がないのであるが、珠算本来の技術として特別算法を大切に伝承すべきと考える。
 過大数計算は、四則計算はもちろん「簡便算」「裏面数計算」「開平・開立法」など全ての算法に利用できるが、一番利用価値が高いのは「十三商割競算」であろう。減算の指使いの練習とともに、前述の「商の借り換え」の練習にも最適である。
 過大数計算は珠算のみの最高技術として、これを自由に扱えることこそ、珠算の醍醐味である



3. 余数(補数)乗法
   例1  8×6=(10−2)×(10−4)=48
      *ソロバンでは、この2と4を補数といって、8の補数は2、6の補数は4
       であるといいます。
   計算方法 (8―4)×10+2×4=48
           ↑(相手数の補数)↓ 
             または、 (6−2)×10+2×4=48 
例2. 7×6=(10−3)×(10−4)=42  
    計算方法  (7+6)×10+3×4−100=42
    
例3. 9×3=(10−1)×(10−7)=27
    計算方法  (9+3)×10+1×7−100=27
   
例4. 4×2=(10−6)×(10−8)=8
    計算方法  (4+2)×10+6×8−100=8 



4.指でするかけ算
  前の11.を延長あいたのが、よくいわれる指算で、6,7,8,9の段どうしのかけ算である。最近までヨーロッパ(フランス・ルーマニアの農民、モルドヴァ・セルビアのジプシー・イランのクルド人などのあいだ)で使われていたらしい。
     8×6=48
    計算の手順 @5の段までの九九は覚えさせる。
          A左手の指で、親指から小指に向かって1,2,3,4、5とおりまげて、6,7,8と起こす。(3本起きている)
          B右手の指で、親指から小指に向かって1,2,3,4,5とpりまげ
           て、6と起こす。(1本起きている)
          C左右の起きている指は、1本を10と数える。(4本で40)
          D左右の曲げた指どうしかけ合わせる。(2×4=8)
          ECの数とDの数とを加えて、積とする。(40+8=48)
   
*10を超えた数どうしのやり方もあるが、ここでは省きます。



5.インドの掛け算( 十位が1のとき・両首一法 )
   テレビで、インドの人が19までの数の掛算について、つぎのように説明していた。
  例 1. 17×13=221 
         17
×  13
         200
   21
        221                    
     (17+3)×10+7×3=221

  例 2. 18×16=288 
          18
 ×  13
   240     
          48      
  288     
 (18+3)×10+8×3=288  

 これを、余数乗法と同じように、つぎのようにするとよい。
  例 1. 17×13=(17+13)×10+7×3−100=221
  例 2. 18×16=(18+16)×10+8×6=100=288



6. 1に近い数どうしの計算(近一乗・除法)
 @ 1に近い数どうしの掛算
   * 計算方法:2つの数をたして1を引く
    1.03×1.02=1.03+1.02―1=1.05(1.0506)
    1.04×0.98=1.04+0.98―1=1.02(1.0192)
    0.98×0.97=0.98+0.97―1=0.95(0.9506) 

 A 1に近い数どうしの割算
   * 計算方法:1をたして割る数を引く
    1.03÷1.02=1.03+1−1.02≒1.01(1.0098…)
    1.02÷1.03=1.02+1−1.03≒0.99(0.9902…)
    1.04÷0.98=1.04+1−0.98≒1.06(1.0612…)
    0.98÷1.02=0.98+1−1.02≒0.96(0.9607…)
    0.98÷0.96=0.98+1−0.96≒1.02(1.0208…)
    0.96÷0.98=0・96+1−0.98≒0.98(0.9795…)  



7.「九九」を使用しないわり算(増成一法)
  中国では、ソロバンが発生するまで「籌(ちゅう)」とよばれる「算木」で計算が行われていたが、しかし、けっこう手間がかかるので、いろいろな工夫をいろいろな方法が 考えられながら発達した。
@ 発達の一つの段階として「増成一法」といって、つぎのような方法がおこなわれて  いたが、特徴は加減のみで全く「九九」を使わないでする除法である。
  例  3456÷8=432
   *3  4  5  6   8で割る(*は途中のソロバン面である)   
      +2           8と10との差=2(補数という)
      +2           @首位の3を仮の答として、つぎの位に補数
      +2            の2を3回たす
   *3 10  5  6
      −8           A10から除数の8を引く
   +1              B8が1回引けたので、上の位に1をたす  
   *4  2  5  6     C4は確定する
         +2       Dつぎの2を仮の答として、つぎの位に補数
         +2        の2を2回たす 
   *4  2  9  6   
         −8        E9から除数の8を引く
      +1           F8が1回引けたので、上の位に1をたす
   *4  3  1  6     G4と3が確定する 
                   Hつぎの1を仮の答として、つぎの位に補数
            +2      2を1回たす
   *4  3  1  8
            −8     I8から除数の8を引いて上の位に1をたす
   *4  3  2        答は 432 である 

                        ・  ・  ・  ・
  この計算はソロバンでは、定位点にあわせて  3・・4・・5・・6 と布数して 
 計算すれば簡単にできる。
  この計算が発展して、「割り声(割り算の九九)」がうまれた。なお、中国では、なるべく考えずに答を算出する工夫をした。
 
A 「省一除法」への利用 
2けたの「増成一法」もできないことはないが、やはり複雑である。
「省一除法」に利用すると、普通の簡便算より商が楽に按出できるので
 例  3553÷19=187
    イ  ロ  ハ  二
   *3  5  5  3   (*は途中のソロバン面である)   
                   @イを仮商として、3×9=27引けない
  −1+10           Aイから1を引いて、ロに10を加える
   −1+10           Aをくり返す
   *1 25  5  3   
      −9           Bロから、1×9=9を引く
   *1 16  5  3     *イの1が確定する
      −6+60        Cロから6を引いて、ハに60を加える
      −1+10        Dロから1を引いて、ハに10を加える
      −1+10        Dをくり返す
   *1  8 85  3
        −72        Eハから、8×9=72を引く
   *1  8 13  3     *イとロが確定する
         −3+30     Fハから3を引いて、ニに30を加える
         −1+10     Gハから1を引いて、ニに10を加える
         −1+10     Gをくり返す
         −1+10     Gをくり返す
   *1  8  7 63    
           −63     H二から、7×9=63を引く
   *1  8  7        答は 187 である 

B増成一法の逆算(乗算)
  例  432×8=3456
    ・  ・  ・  ・
   *4  3  2       8をかける(*は途中のソロバン面である)   
         ―1 +8    @末位の2から1を引いて次の位に乗数8をたす
   *4  3  1  8
            −2    A末位の8から乗数8の補数2を1回ひく
   *4  3  1  6    
−1 +8       B次の実3から1を引いて次の位に乗数8をたす
   *4  2  9  6   
         ―2       C下2位の9から2を2回引く
         ―2       
   *4  2  5  6   
   −1 +8          D首位の4から1を引いて次の位に乗数8をたす
   *3 10  5  6    
−2          E下3位の10から2を3回引く
      −2         
      −2
   *3  4  5  6    答は 3456 である 

 
8. 9で割れる?(2〜9の整除性)
    任意の整数を、ある整数で割って、整数で割り切れることを整除性といいます。    
   @ 2の整除性
     偶数は2の倍数である。
   A 3の整除性
     単一数(各位格の数字を合計した数、例 348 3+4+8=15と2けたになったので、さらに足しあわせて 1+5¬=6 と1けたにした数)が、3の倍数であれば、3で割り切れる。
   B 4の整除性 
     (イ)末尾の2桁が、00か4の倍数であれば、その数全体が4の倍数である。
     (ロ)偶数で、下2桁を2で割ってもその答が偶数であれば、4の倍数である。
   C 5の整除性
     一位が、0か5であれば、5の倍数である。
   D 6の整除性,
     偶数で、単一数が3の倍数であれば、6で割り切れる。 
   E 7の整除性
* 7が一番複雑である。
     (イ)一位から、3桁ずつの群にわけて、奇数番目の群の和から、偶数番目の和を引いた差が、0か7で割れれば全体の数が7の倍数である。
        例 3,912,657,840
(840+912)−(657+003)=1,092
          092−001=91 91÷7=13 と7で割り切れるので、
          3,912,657,840は 7の倍数である。
     (ロ)1位(7位)数の1倍、2位(8位)数の3倍、3位(9位)数の2倍、
        4位(10位)数の6倍、5位(11位)数の4倍、6位(12位)数の5倍した数の和が、7で割り切れれば、全体の数は7の倍数である。
        例 3,912,657,840
         0×1+4×3+8×2+7×6+5×4+6×5+2×1+1×3+9×2+3×6=161 161÷7=23 と7で割り切れるので、
          3,912,657,840は 7の倍数である。
     (ハ)末位数の2倍をその上位から引いて、順次上位へ引いて残数が7で割り切れれば、全体の数は7の倍数である。
        例 3,912,657,840
3912657840
                    −8C 
               3912657000
                  −14F
              3912510000
                  −2@        
               3912300000
                ―6B
               3806000000
              −12E 
              3780000000           
             −16G
               21
        21は7で割りきれるので、全体の数は7の倍数である。
     (ニ)上位から1001の倍数(9009,8008,…)を引き去って、3桁になれば、777を引いて残数が7で割り切れれば、全体は7の倍数である。
        例 3,912,657,840
3912657840
   −3003
                909657840                  
               −9009    
                  8757840
                 −8008
                  749840
                  −7007
                    49140
                   −4004
                     9100
                    −9009
                      910
                    −777
                      133
           133÷7=19 と7で割れるので、全体は7の倍数である。                                  
     (ホ)3×(1位目の数)+2×(2位目の数)−1×(3位目の数)−3×(4位目の数)−2×(5位目の数)+1×(6位目の数)+3×(7位目の数)−2×(8位目の数)−1×(8位目の数)−3×(9位目の数)が、7で割り切れれば、全体の数は7の倍数である。
       例 3,912,657,840    
3×0+2×4−1×8−3×7−2×5+1×6+3×2+2×1−1×9−3×3=0+8−8−21−10+6+6+2−9−9=−35   
       −35は、7で割り切れるので、全体の数は7の倍数である。
     (へ)A+5Bが7の倍数であれば、10A+Bは7の倍数である。 
       例  329
       A=32 B=9 A+5B=32+5×9=77 は7で割り切れるので、
       32×10+5×9=77 で7で割り切れるので、
32×10+9=329 は7の倍数である。
   F 8の整除性
     (イ)末尾の3桁が、000か8の倍数であれば、全体の数は8の倍数である。
     (ロ)偶数で、下3桁を2で2回割っても偶数でれば、8の倍数である。
     (ハ)百位が偶数のときは、下2桁が8で割る。
        百位が奇数のときは、下2桁に20を加減して8で割る。
     (ニ)1×(一位の数))+2×(十位の数)+4×(百位の数)が8で割り切れれば、全体の数は8の倍数である。
   G 9の整除性
     その数の単一数が9となれば、9の倍数である。
     3,456の単一数は、3+4+5+6=18=1+8=9で単一数は9である。 


9.検算について

 「二算は、三算なり」(一つ目と二つ目の答が違えば、三度目の計算を必要とする)
 計算は合理的・能率な的観点からみて、答の算出は一算が望ましい。しかし、実務的には時として検算も必要である。
 (1)検算の方法
  A.正答算出法
    イ.再算法 ロ.順序転換法 ハ.算法交換法(算法変更法) 二.問題変化法
  B.正誤判別法
    イ.概算法 ロ.逆算法 ハ.剰余利用法

 (2)剰余利用法
    ここでは、Bのハ「剰余」を利用した方法について述べる。
 ソロバンと電卓の違いはいくつかあるが、計算終了時に直接「余り」が求められるかどうかもその一つであり、実用計算としては大切なことである。
 不十進諸等数の計算などは、余りが出なければ、かえって複雑で計算に時間がかかるのである。そこで、「余り」の利用法についていろいろな観点から考えてみたい。
  A.九去法
    剰余として、一番知られているのが、九去法であるので、一応利用法を記しておきたい。
* 九去数(単一数とか、根ともいう)の求め方
例 13,578÷9=1,508…6 で九去数は 6 である。
  九の場合は、各位格の数を 足せば求められる。
  1+3+5+7+8=24  2+4=6 となる。
    *加減算の場合
      例 9,876−4,321+2,135=7,690(7+6+9=2+2=4)
    九去数   3  −  1  +  2  =  4  

    *乗 算の場合
      例 263×457=120,191(1+2+1+9+1=1+4=5)
    九去数  2 × 7 =14=1+4=5
    *除 算の場合
      例 142,378÷481=296 … 2
    九去数    7  =  4 × 8 + 2
  
B.「九去法」の歴 史
   カジョリの『初等数学氏』(小倉金之助補註)によれば、「九去法は3世紀に、ローマの司教ヒッポリュトス(Hippolytos)に知られていた」という。
   「験算法は、インドの土盤算法中、数字が随時消されることから、計算結果の正確か否かを検証しようとつくられたものだ」(中国数学史)「インド人の発明ではないが、インド人にはわれわれ以上に役立った」とも。
  =西 欧=
   『実用算術概論』(1585・クラビウス・Ciavius)
  =中 国=
   『同文算指』(1614・利瑪竇口述・李之藻記録)「九除」「七除」
   『暦算全書』(1718・梅文鼎著)「同文算指から引用した」「試法九減・七減」
  =日 本= 
『勘者御伽双紙』(1743・中根法舳著)「合否を知る術の事」
『算法童子問評林』(1798・会田安明著)「御伽双紙の九去法を邪術」
  「此レ即チ虚題ニシテ邪術ナリト知ルベシ」と批判している。
『方円秘見集』(1667・多賀屋清兵衛)
勘定に十の心得の事「割候さんは掛、懸候さんは割り候て元に成か合違ひ知事」
   『算法玉手箱』(1879・福田理軒著)
  
C.n去法
    除数は何を使ってもよいのであるが、条件としては、
@ 剰余の案出が簡単である事、
A 剰余での処理が簡単である事、
B 正否の判別がしやすいことである。  
    そこでいくつかの剰余の求め方をを考えてみたい。
   イ、十一去法
     例   142884
        −11
         −22
          −99
           −88
            −99
              5(十一去数)
   ロ.九十九去法
     例 142884 末尾から2けたずつ足す
       ・・  ・・ 84+28+14=126=26+1=27(九十九去数)     
   ハ.百一去法
     例   142884
        −101
         −404
          −101
           −404
             70(百一去数)
    ニ.九百九十九去法
      例 142884 末尾から3けたずつ足す
・・・ 884+142=1026
=026+1=27(九百九十九去)
    ホ.千一去法
      例   142884
         −1001
          −4004
           −2002
             742(千一去数)
    へ.八十九去法
      例 142884 ÷89を(100−11の)帰一除法で計算する。
        ・
    +11(1×11)
        153884
         ・
         +66(6を予測して・6×11)
        160484
           ・
           +55(5を予測して・5×11)
        1605BH  39が余るので、39(八十九去数) 

ト.九十七去法 
      例 142884÷97を(100−3の)帰一除法で計算する。
        ・
        +03(1×3)
        145884
         ・ 
         +12(4×3)
        147084
          ・
          +21(7×3)
        147294
           ・
           +09(3を予測して・3×3)
        14730B  3が余るので、3が(九十七去数)

      ◎ 条件@から考えると、九十九去法か九百九十九去法であろう。
posted by そろまんが at 22:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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